【作品情報】
サークル名：鮭缶メモリアル
タイトル ：白襲
作家名 ：ソロピップB
シリーズ数：5話
※こちらは総集編のご紹介
シナリオ
10年前、なぜ僕は実家から逃げるように家を出たのか今だにはっきりわからない。
突然狂ったように怯え、「ここから逃げたい」と恐れおののいていた様子だと、周りの人間は言っていた。
しかしそんな記憶は脳裏に残っていない。その記憶にケリをつけるためにもう1度、実家の蔵へ足を運ぶ。
これは忘れ去ってしまった方が良いことなのかもしれない。けれども頭の中にひっかかった靄がどうしても僕を突き動かす。
「おかええりなぁさあい♡」
恐怖、愛情、混乱、無機質な表情がその場の雰囲気をより一層際立てています。
ソレと会ったのは、この蔵に訪れたのは、逃げ出したのは、犯されたのは、一体『何回目でしょう』
何度逃げても繰り返されるその時間に囚われ、どれだけ悲しく怖い気持ちを抱えていても、蔵の外に出れば全てを忘れます。
作品のほとんどが同じ場面の繰り返し。しかしセリフや行動が少しずつ変わっているので何故か読んでいて不気味です。
でも安心してください。最後には中にいる人間を残して主人公はちゃんと蔵から出てきます。人外娘も嬉しそうにしてて追ってきたりはしません。
勢いよく鍵を閉めて、初めて外の世界を見たような反応をしてから彼は前へ歩き出します。