【作品情報】
サークル名:atori
タイトル :かのん
作者 :atori
シナリオ
いつも君を見ていた。毎朝の電車通学の時間が、毎日のささやかな楽しみで、いつしか君のことが好きになっていたんだ—
友達から、学生時代に想いを寄せた同級生が地方のソープランドで働いていることを知り、浮かない顔でお店に訪れる。
8年ぶりの彼女との再会。そこには確かに風俗嬢として勤務する彼女の姿があった。
肌を重ねるうちよみがえってくる当時の記憶。今まで色々大変だったらしいが、彼女の慣れた手つきはペニスを射精へと導いていく。
あの日、自分が行けなかった文化祭の打ち上げの日、何故急に他の男と付き合うことになったのか。どうしてその直前に自分に告白してきたのか…
まともに話すことは出来なかったけど、君は誰もいない部室で他の男に抱かれていたことは、今でもはっきり覚えている。
君が今こんな仕事をして、過去にどんな男とどんなプレイをしていたかは分からない。けどその笑顔は昔のまま変わってない。あの頃、ずっと見ていた彼女そのものだった。
ずっと続くと思っていた幸せな日々。されど彼らはもう2度と会うことはない。きっとそれが新たな幸せなんだと信じて…
学生時代、文化祭に向けた映像研究会最後の自主制作映画を作ることになり、その女優として元演劇部の彼女に協力してもらったことから彼女と知り合います。
いざ話してみると趣味も合い、卒業まで残り半年という短い期間ですが、お互い惹かれ合うように。しかし打ち上げを機に関係は終了。
登場人物の方言が強めで、なんというか田舎の青空みたいな爽やかな青春感があります。しかしそれが大人になると、未熟だったあの頃を思い出す要素にしかなりません。
その打ち上げで何があったのか、、直接的には語られませんが、そういうことなんでしょう。
どれだけ後悔しても、もうお互いに後戻りできない場所にいることを分かっていて、受け入れて呑み込むことしかできません。
後悔や懺悔で胸が苦しくても、笑顔で相手にこの心が悟られないように取り繕うことができた彼らは、ちゃんと大人です。
気持ちを切り替えてそれぞれの帰路へ。